失った体重を取り戻す
過去に派手な病気をしたことがあって、その病気のためというよりは、
治療の一環として採用した「食餌療法」のためだったのだと思うが、
約10年ほど、BMIが17、という激やせ(自分的には)の日を送った。
かつては、身長が160センチに対して48キロほどの程よい体形だったと思うのだが、
一気に40キロに落ち、
その後なんと約10年間に渡り、様々な努力に関わらず体重が回復することはなかった。
ようやく、この1年ほど常に46キロを維持できるようになったので、
本格的に治癒したのかと我ながらうれしい。
体型的には、増加分はほとんど下半身についたようだが、
顔も幾分かはふっくらし、
以前のように
「どおしたの、そんなに痩せちゃって!」
という悲鳴のような感想の声は聞かれなくなった。
それだけでも十分うれしいぞ。
(言わなくてもいいのではないかな。感想は。)
やはり、身体も心も
傷んでいたのだろう。
同じこと(食事療法・瞑想・代替療法)をしても、
心が疲弊し、消耗し、身体がそれを拒んでいたら、
どんなよい食べ物や薬であっても、
心の向かう方へ身体は動く。
心身が回復し、体重が元通りになるまで、この10年(正確に言えば12年)は必要な時間だったということだ。
だからあれこれ手を尽くしても体重は増えなかった。
体重だけが元通りにならなかったのではなくて、
再発こそしなかったものの、健康ではなかった。
うつ病にこそならなかったが、精神も元気ではなかった。
そういうことなのだと思う。
当時はそのようなメカニズムが納得できていなかったので、
「体重が増える」、という触れ込みの幾つかのことを試した。
失った体重を取り戻せさえすれば、
以前のように健康な体になれるはず。と信じて。
・漢方薬 ・体を温める効果のある食べ物
おかげさまで、冷えは解消したっぽい
・ヨガ ・適度な運動・ラジオ体操・ウオーキング
一時期、筋肉衰えすぎ、と呆れられたものだが、多少はこれで回復した
・消化吸収力を上げる体操 ・瞑想・ストレス軽減のためのいろいろ
そもそも食欲がなかったわけではない。吸収力が低下してるのかなと思い、こちらの療法をいくつか。効果は不明だ。体重増加につながらなかったのは確か。
・鍼灸・整体・オステオパシー
けっこうな長期通っているのだが。
たぶんこれのおかげで体調は良いのだが、体重は増えない
・サプリメント (ズバリ太れないあなたへ、的な)
なお、以上の中で、サプリメントのみ、具合が悪くなったので数日で中止する破目に。
3種類くらい試したが、いずれもはずれ。
飲む前より具合悪くなってどうする!
これを好転反応と言い張るのはどうかな。
で、
どう考えても、まず手を付けるべきは、食生活である。
手術直後から一時期ヴィーガン(動物性のものは摂らない。乳製品も同様)だったこともあり、
その当時は42キロもやむなし、治療のためであると諦めていた。
砂糖、果糖、蜂蜜等の糖分の一切を断ち、
おそらく簡単に体重が減ってしまった最大の理由はそのあたりだと思うのだが、
そののち3年ほどが過ぎ、ほとんど普通食に戻したあとも、
どうしたことか体重は増えないのだった。
(どこがどう悪いというのではなく、単に、回復途中だったということね)
まず、それまで常食していた玄米菜食に加えて、
スイーツというか、いわゆるマクロビスイーツ、すなわち、白糖ではなくて黒糖、メープルシロップ、蜂蜜を使っているスイーツのことだが、
これを解禁。
しかるべきのちに砂糖も解禁。
白いパンも解禁。
体重に変化なし。
動物性のものを食べないことを除けば、ほとんど普通食(白米は食べず玄米を日に2、3回)
この時代がたぶん5,6年続き、
ようやく肉、魚を解禁。
折も折、糖質制限が流行りとなり、
玄米を日に1回のみとし、その分のカロリーはチーズと肉で補うこととした。
このあたりからようやく明るい兆しが見え始め、
時には44キロ超を記録することも。
さらにこの状態で数年経過したあと、
ついにアーユルヴェーダ(インドの医学)と出会い、
そのクリニックで診察を受け、
一気に46キロを超えるに至ったのだった。
ポイントは2つ。(いくつもポイントはあるのだが、特に体重増加に寄与したと思われるものを記す。)
またこれは、誰にでも当てはまるわけではなくて、
あくまで、固有の体質に合わせた処方に従ったものであるので、念のため。
まず、玄米を廃止することにして、白米を炊くようにしたこと。
これは、できるだけ、作り立ての食事をとる(ランチに弁当を持参するよりも近所のレストランでとるのがよい)ことを薦められたところ、
手ごろなレストランがないため弁当持参は仕方なかったのだが、
せめて朝炊いたご飯がよろしいということで、白米に。
(玄米は一週間に一度炊いたものを冷凍解凍して持参していたので。)
白米を炊くのは何年振りか思い出せないほど、自宅で白米を食べる習慣は失われて久しかった。
玄米は特殊な炊き方で消化吸収が良いように気を付けていたつもりだったが、
やはり、吸収されてなかったのかと今にして深く反省する。
久しぶりの白米を噛みしめたときの、
あの罪悪感の混じったトキメキに似た感情をなんと言おう。でも美味い。。
そして、夕方の空腹時に、温めた牛乳を150cc飲む。
牛乳も発病以来飲んだことがなかったのだが、
なんというか、これがまたエネルギー飲料という感じ。
少量の甘みを付けるのもよろし、ということで、蜂蜜を投入。
夕暮れの透き通った水色の空を窓越しに見ながら、
そもそも牛乳をこのような飲み方をすることは何十年ぶりかではないかな、
と感無量だった。
美味、、、と体が喜ぶのがわかった。
そのエネルギーはダイレクトに全身の細胞(おそらく下半身中心として)に働きかけ、
たぶん牛乳が私の体重を増加させてくれたに違いない。
何故なら、このあとあっという間に48キロ超まで増えてしまい、
あわてて牛乳の量を減らし、
瞬く間に、減量に成功したからだ。
治癒の道と、体重の増減は、切っても切れないものがある。
病後の養生と体重を増やすことは同時には叶わない。
しかし、牛乳は失った体重を取り戻すのに卓効あり
そして、白米は消化吸収に優れている
これは、普遍の真理かも。
Loveだよ、love